大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)はトルコの大手商用銀行である「AkBank(アクバンク)」と提携したことを明らかにしました。これによりアクバンクのプラットフォームを介して、バイナンスでトルコの法定通貨であるリラ(TRY)の入出金が可能になります。
バイナンスとトルコAkBankが提携
3月2日、バイナンスの公式ブログにて、トルコの商用銀行アクバンクと提携し、法定通貨トルコリラ(TRY)の入出金に対応したことが発表されました。
これまでもトルコリラ建てでの仮想通貨取引が可能でしたが、今回の提携により、デスクトップ・iOSアプリを介してより安価な手数料およびリアルタイムでのトルコリラの入出金が実現します。
イスタンブールに本社を構えるアクバンクは1948年に設立され、現在トルコ国内に770の支店と5000を超えるATM、60万のPOS端末を展開する一大ネットワークを有しています。
これまでにオンライン、モバイル端末、その他チャネルを通じて1800万人近くのユーザーにサービスを提供し、2017年にはリップル社の国際送金ネットワーク「RippleNet」にも加盟していました。
低手数料での入出金を実現
今回の提携により、トルコの銀行口座を保有し、バイナンスの本人確認が完了したユーザーであれば、アクバンクの口座を保有せずとも手数料なしで100~50000トルコリラ(約1,700~87万円)の即時入金が可能になります。
また出金に関しては2.5トルコリラ(約43.6円)と低い手数料で引き出すことができ、規制に遵守するとともに参入者の障壁を下げ、普及を促す狙いがあります。
トルコと言えば国境にシリア難民が大幅に押し寄せている他に、経済の不安からトルコリラの価格暴落が懸念されていました。そのため仮想通貨の普及が他国よりも進み、人気となっています。
ローカルレポートによると、8200万人以上いるトルコ国民のうち推定100万人のアクティブな仮想通貨投資家がおり、Statistaの2019年の調査によれば回答したトルコ国民のうち5分の1が仮想通貨を所有または使用したことがあるとの結果が出ています。
一方で、トルコの規制当局は同国内での仮想通貨取引の急速な拡大に危機感を抱いており、トルコ金融犯罪調査委員会なる機関が、仮想通貨交換業者への監視を強化する取り組みを行っています。
しかしそのような排気がありながらも、大手仮想通貨取引所であるバイナンスと大手商用銀行の今回の提携は、トルコでの仮想通貨の普及をさらに後押しすることは間違いないと言えます。