4月20日、ニューヨーク原油先物市場で価格が0ドルを下回り、史上初となるマイナスを記録しました。ビットコイン価格はこの影響もあってか、約6,850ドルまで調整しています。
ストレージ減少による原油先物暴落
マイナスを記録したのはWTI原油の5月先物契約で、需要の低下から保管場所が減少してしまったことが背景にあるようです。WTI原油の6月先物契約に関しても、20%を超える下落を記録しています。
今年1月には米トランプ大統領が仲介役となり、OPECとロシアが5月1日付けで970万バレルの減産に合意しています。今回の下落はコロナウィルスの影響によるものですが、この時点からすでに原油先物に関する信頼は大きく落ちていたと考えられています。
ここ数週間でダウやS&P 500は経済活動の段階的な再開で回復を見せていましたが、今回の下落で依然として経済が脆弱な状態にあることがはっきりと示されました。
ビットコイン価格への影響
ビットコイン(BTC)は約6,850ドルで取引を終え、約4%の価格下落となっています。レジスタンスとなっているのは7,200ドル付近の価格帯で、現在のサポートラインを下回った場合、約6,300ドル付近まで下落する可能性も示唆されています。
加えて、ビットコインのマイニング事業者の中には、石油会社からのエネルギー供給に依存している所も存在します。仮にこうした会社が倒産した場合、マイニング事業を継続することが困難になるかもしれません。5月に迫った半減期によるマイニング報酬の減少が、さらに追い打ちをかける可能性も指摘されています。
発行上限がプラスに?アナリストの見解
一方で仮想通貨アナリストの中には、FRBの量的緩和政策やOPECの石油供給継続計画を引き合いに出し、ビットコインと比較する意見が出ています。
具体的には、米ドルと石油の供給にはほとんど際限がないことに対して、ビットコインの供給には上限があるため、独自のメリットを提供できるというものです。