ビットコイン(BTC)カストディプロバイダーのKnox社と仮想通貨取引所Bitbuyが提携し、コールドウォレットに保管されている顧客の資産全額を対象とした預金保険サービスを提供することが明らかとなりました。
全額保証のカストディソリューション
仮想通貨取引所Bitbuyはカナダのトロントを拠点とし、ビットコイン(BTC)と6つのアルトコイン取引サービスを提供しています。
5月27日のForbesの報道によるとBitbuyはモントリオールでビットコインカストディサービスを展開するKnox社と提携し、顧客が預けたビットコイン全額を保証付きでオフライン上で保管できる1:1の預金保険サービスを開始しました。
プレスリリースでは「これは急成長を遂げる仮想通貨業界にとって重要な発展であり、Bitbuyがクライアント資産が大部分を占めるビットコインコールドウォレット内の全価値を保証する方法を見つけた世界初のプラットフォームとなります。」と述べています。
Knox社の副社長Thibaud Marechal氏は、両社が初めて会ったのは2018年にトロントで開催されたカンファレンスで、インフラの補完的な部分の考え方が一致し今回の提携に至ったと明かしています。
資金流入の呼び水に
これまで仮想通貨取引所へのハッキングは幾度となく行われ、その多くは金融当局によって認められていないため顧客が満足いく形での保険も提供できず、資産が永久に失われるといった事例も見られました。
そのため機関投資家や企業は仮想通貨業界への参入に消極的だったと言えます。またカナダの仮想通貨取引所クアトリガCXの創業者が突然死し、顧客のコールドウォレットへアクセスできず返還できなくなった事件も起きています。
またその死の直前には不審な行動も確認されたことから計画的な倒産疑惑も取りざたされていました。
Knox社いわく「取引所は通常、オフラインでの保有分(通常95%)は内部ストレージに依存したままクライアントの資産を安全に保管しています。しかし取引所はこのサービスのための金銭的補償はなく、ただのビジネスコストとして扱われている。」と指摘しています。
今回の提携ではBitbuyの保有するすべてのビットコインをKnox社が保管し、共謀による内部犯行を含む盗難や紛失リスクのカバーなど完全な契約条件や除外事項が適用されることになります。
これにより安全に資産が保管されるだけでなく、万が一のことがあっても顧客に資産が返還されるため資金流入が期待できるかもしれません。