ここ数日、ビットコイン(BTC)のマイナーは採掘したビットコインを全て売却せずガチホしている傾向にあることが分かりました。これまで半減期を過ぎ価格も上昇しないことから、投げ売りが始まることが懸念されていました。
マイニングされたBTC、全て売られず
ビットコイン(BTC)の価格は5月の半減期を過ぎた今も心理的に重要である1万ドル(約107万円)の突破に苦戦するなか、マイナーは新たに採掘されたビットコインを売りに出さず保有し始めています。
仮想通貨データ分析企業ByteTree(バイトツリー)によれば、先週7150BTCがマイニングされたものの実際、売却されたのは5821BTCとなっており、1329BTCを保有していることが分かりました。
これにより特定の期間にマイニングされた枚数と比べ、どれだけ支出しているかを確認できるバイトツリーの独自指標「MRI(マイナー・ローリング・イベントリ)」は100%を下回っています。
MRIでは過去12週間、マイナーは売り傾向で3月の暴落の際には100%以上となっていました。その後、ビットコインは4000ドル(約43万円)を割って価格が回復するとMRIも100%を下回っています。
そのため100%を超えるとマイナーの売り圧力が強く、下回ると在庫を増やしていることになることから、価格上昇が期待されています。
必ずしも強気のサインではない
これまで半減期を過ぎ、ブロック報酬が半分になったことから採算の取れないマイナーによる投げ売りが始まると懸念されていました。しかしビットコインの在庫は増えており、強気相場になる可能性が出てきています。
一方、バイトツリーのCEOであるJames Bennet(ジェームズ・ベネット)氏によれば必ずしもそうとは限らないと指摘し「先週の金曜日、9800ドル(約105万円)から900ドル(約9万6千円)ほど暴落した前も含めMRIはここ10日間下落していました。」と述べています。
そのため価格が上昇すれば高値で売りたいと思うマイナーは再び在庫を捌く可能性があると警鐘を鳴らしています。
「私は彼らが保有し始めていることは逆に強気相場を示唆していないと考えています。マイナーはビットコインの最高価格に到達することを望んでいますが、それでも運営費を賄う必要があります。彼らは一般的に強気派ではなく市場に精通しています。」
またグラスノード社もマイナーのビットコインの取引所流入が半減期直前と比較して半分になり、売り圧力が弱まったと報告しバイトツリーのデータを後押ししています。