ビットコイン(BTC)などの仮想通貨は、犯罪への利用が懸念されており、各国でその規制について議論が行われています。一方で、クレイグ・ライト氏の考えはこれとは真逆のようです。ライト氏は、ビットコインは犯罪防止に役立ち、新たな世界への道を開く方法だと考えています。
ビットコインは犯罪防止に役立つ
ビットコインは明確な発行元が存在しない、非中央集権的な仮想通貨です。政府や中央銀行が発行量をコントロールし価値を保証している法定通貨とは、大きく異なる性質を持っています。
一方で、ビットコインが本来発行された目的は、政府が懸念しているようなダークウェブなどの闇サイトでの利用や、違法なマネーロンダリングを助長する地下通貨としてではありません。
クレイグ・ライト氏は、ビットコインのトランザクションの起源が追跡・特定可能であることなどを踏まえ、犯罪防止にビットコインがなぜ役立つのかを、自身のブログにて以下のように述べています。
「ビットコインは、他の誰もが無視していたお金のトレース(追跡)という側面を提供することができる、初めてのビアツーピアキャッシュシステムです。政府の規制から逃れることを目的として作成したものではありません。アナーキストのスローガンは、正直なお金の目的に反しています」
ブロックチェーンの持つ法的証拠能力、犯罪の防止力
ビットコインのトランザクションは、過去から現在に至るまで不変的な記録としてブロックチェーンに保管されます。
この記録はネットワーク上の各ノードに保管されており、削除することも改ざんすることも不可能です。
加えて、ライト氏はビットコインには他の金融システムでは提供できない、アラートキー(現在は廃止)のような機能があると述べています。
「ビットコインには、2010年8月に登場したアラートキーのようなアイディアがあります。(中略)有効な司法命令が出た段階で、各ノードはそれに基づいて行動することができます。資産をグローバルに凍結することも可能でしょう」
ビットコインは、その特徴的な記録方法によって、犯罪を事実上阻止できる可能性を秘めています。
世界レベルでのブロックチェーンデータベースが構築されれば、世界中の法務機関や規制当局が、ハッカーや誘拐犯、マネーロンダリングを行う人達などを、簡単に追跡することができるのです。
ライト氏は、ブログの最後を以下のように締めくくっています。
「経済的に犯罪を防ぐ『新しい世界』へようこそ!ビットコインへようこそ!」