仮想通貨取引所Bitfinexは、テザー(USDT)による資産の裏付け問題や巨額損失の隠ぺい疑惑の渦中にあります。そんな中、資金調達の名目でIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)が予定されている事が、同取引所の株主である中国人トレーダーによって明らかとなりました。
BitfinexがIEOを実施か
仮想通貨取引所Bitfinexは新たにIEOを実施し、10億ドル(約1,100億円)の資金調達を計画している可能性が出てきました。
これは、Bitfinexの株主でもある中国人トレーダーのドン・チャオ(Dong Zhao)氏がWeiboに投稿した事で明らかになったもので、現在の所公式の発表はありません。
とは言え、チャオ氏はTwitter上にもトークンの計画文書を投稿しており、本情報の信憑性は高いと思われます。
Bitfinex Official LEO whitepaper https://t.co/buDQw87eNh
— Dong Zhao (@zhaodong1982) 2019年5月8日
詳細によると、IEOにより発行されるトークンは「LEO」と呼ばれ、取引所トークンとして発行される予定です。
また、「LEO」を保有することで、Bitfinexを利用する際の手数料が削減されるなどのメリットがあることが予想されています。
さらに、10億ドルもの資金調達をUSDTで行う事により、ニューヨーク州の司法長官により指摘されている8億5000万ドル(約930億円)の巨額損失の補填に当てるのではないかとの予想もされています。
運営を継続したいBitfinex
現在の所、Bitfinexは2019年末までにはLEOトークンを発行する予定だとしています。
長引いているテザー疑惑は市場の下落や信用失墜の要因ともなっており、好ましく思ってない仮想通貨投資家が多く存在していることも事実です。そのため、LEOトークンがこの状況にどのような影響を与えるのか注目が集っています。
一方で、米カリフォルニア州の仮想通貨資産運用を行っている投資会社「Arca Funds」のCIOであるJeff Dorman氏は、以下のような意見を述べています。
「もしBitfinexの資金調達が成功すれば、損失による資本の穴が埋められることで、テザー社共々、十分な評価と共に今後も運営を続けるでしょう。しかし、取引所の運営停止やUSDTの様なステーブルコインを排除するために、この資金調達の失敗を望む人々が多くいることも理解しています」
このように伝えたうえで、今回のBitfinexのIEOは、単純に人々がスキャンダルから先へ進み、支払い能力を維持している企業が業務を継続しようとしている事が現実であると主張しました。
なお、ニューヨーク州の司法長官も巨額損失に関する文書提出を求めており、今後の動きによっては仮想通貨市場全体に影響が出る事も考えられます。こちらも、IEO共々注視する必要が考えられます。
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