4月1日、韓国政府は海外渡航時に新型コロナウイルスのワクチンを接種したことを証明するスマートフォンアプリを今月後半にもリリースする予定であることを明らかにしました。
ワクチン接種証明アプリをリリース
韓国のチョン・セギュン(丁世均)首相は、ソウル庁舎で開かれた新型コロナウイルス中央災難安全対策本部会議にて、政府が推進するワクチンパスポートを国民がスマートフォンのアプリケーションを通じて利用できるようになると発表しました。
このワクチンパスポートとは新型コロナウイルスのワクチンが接種済みであることを示す「デジタル証明書」で、公共施設に入場する際や海外渡航時などアプリでスムーズに確認することが可能になります。
セギュン首相によれば「国民はワクチンパスポートやグリーンカードのシステムにより、日常が正常な状態に戻る感覚を体験することができるでしょう」と述べています。
またワクチンパスポートにはブロックチェーン技術が活用されており、セキュリティが確保されているため、データの改ざん防止や個人情報の保護に役立つものとなっています。なおアプリは4月後半の正式配信を目指しています。
各国でもブロックチェーンベースのパスポート開発へ
韓国では4月に入り、新型コロナウイルスのワクチン接種を医療従事者以外の75歳以上の高齢者に拡大、これまでに85万人が接種済みで6月までに1200万人、9月末までに18歳以上の接種終了を目指しています。
ブロックチェーンベースのワクチンパスポート導入により、ロックダウンやシャットダウン後の迅速な立ち直りを目指していますが、この動きは各国でも拡大しています。
米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は先日、ブロックチェーンベースのワクチンパスポート「Excelsior Pass」を開始したことを発表しました。ニューヨーク居住者はこのパスポートを使用し、アリーナやスポーツスタジアム、結婚披露宴などの公共の場にアクセスすることができます。
Excelsior Passはハイテク大手IBMと提携して開発されたもので、ブロックチェーンや暗号化などの安全な技術により、データの保護や検証に高い信頼性をもたらすものになっています。
英国のボリス・ジョンソン首相も記者会見で、海外旅行の際には今後ワクチンパスポートが使われる世界が間違いなくやってくると述べ、G7でも国際的に認められたワクチンパスポートの実現に向けて各国で協力していくことを約束していました。
ブラジルでもブロックチェーンベースのワクチン接種システムを導入しており、ワクチンパスポートが今後、世界で大きな役割を果たすようになることは間違いないと言えるでしょう。