政府の請負業者でもある研究機関Rand Corporation(ランド・コーポレーション)が行った調査によれば、ダークウェブ上でビットコイン(BTC)が最も使われており、ジーキャッシュ(ZEC)などの匿名通貨は使用頻度が少ないと報告しています。
匿名通貨Zcashの悪用は少ない
現在、ダークウェブ上ではビットコインよりも匿名通貨が主に使用されていると言われています。この真実を明らかにするためジーキャッシュを運営するElectric Coin Companyは昨年、Rand Corporation(ランド・コーポレーション)へ調査を依頼していました。
5月6日に発表されたランド・コーポレーションの65Pに渡る報告書の中で、マネーロンダリング・違法商品取引・テロ資金調達の3つの分野でZcashの利用頻度を調査した結果「Zcashが広範囲に渡って違法に使用された証拠はない。」と述べています。
Zcashが違法な目的で使用された兆候や証拠はあるものの、ダークウェブのユーザーにとって魅力的な選択肢ではなくビットコインやモネロ(XMR)など他の仮想通貨と比べると使用頻度は低いと報告しています。
ダークウェブではBTCがいまだ多く利用されている
ランド・コーポレーションの今回の調査ではZcashの支払いを受け入れた違法商品取引は1%のみで、The Shop・Skyscraper(スカイクレイパー)・Cyberzen(サイバーゼン)の3社のみだったことが明らかとなりました。
一方でビットコインが59%、モネロが27%、イーサリアム(ETH)が12%、ライトコイン(LTC)が1%となっています。
そのため報告書ではビットコインが依然として、ダークウェブで使用される違法または犯罪活動における主要な仮想通貨であると認識されていると結論付けています。
これまでビットコインはブロックチェーントランザクションから追跡できるため、犯罪者はZcashやモネロの使用を好むとされていました。
実際、2018年にはEuropolがZcashがISISに好まれていると報告しており、ブロックチェーン分析会社Chainalysisも同年、ダークウェブ上でZcashの人気がますます高まっていると伝えていました。
Zcashの創設者であるZooko Wilcox氏はこれら2社にツイッター上で反論していましたが、今回ネガティブなイメージを払しょくするべく調査を依頼したことになります。
先日、Electric Coin Companyが公開したブログではユーザーがZcash決済でアイスクリームや映画のチケットの購入、慈善団体へ寄付していることもアピールしていました。