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日銀黒田総裁、CBDC(デジタル通貨)の実証実験は「春から開始予定」

第31代日銀総裁である黒田東彦氏は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)について今春から実証実験を開始する予定であることを明らかにしました。現在、世界中でCBDC発行への取り組みが進んでおり、続くものとなっています。

デジタル円、実証実験へ

3月16日に開催されたフィンテックを議題としたカンファレンス「FIN/SUM(フィンサム)2021」に黒田東彦日銀総裁が登壇。そのなかで2021年春から「CBDCの実証実験に取り掛かる予定である。」と述べました。

一方で現時点ではCBDCを発行する予定はないとしながらも、将来的に開発が適切と判断すればその準備を行う構えであるとの姿勢は崩しませんでした。

国際組織であるBIS(国際決済銀行)が実施したCBDC調査では、世界中の86%の銀行がCBDC発行のメリットとデメリットを検討している中で黒田総裁は、PoC(Proof-of-Concept)を実施している銀行は60%程度であるとのデータを挙げています。

そのため特別CBDC発行について急ぐ必要はないものの、状況の変化に対応するための適切な準備は実施する方針だとしています。なお実証実験については今後、民間企業と連携していく予定だと明らかにしています。

CBDCと言えば、中国がいち早く発行に取り組んでおり、次いで欧州・米国と研究を進めている状況となっていました。

ビットコインなどへの影響は?

このように世界中の政府や中央銀行が独自のCBDCの試行と計画を始めており、フォーブス・メディアの編集長であるSteve Forbes(スティーブ・フォーブス)氏はこの動きを「暗号資産(仮想通貨)戦争」と例えています。

各国政府は、自国での仮想通貨の普及に直面しており、その対応として禁止・規制あるいは独自のデジタル通貨の作成を打ち出すなど、足並みは揃っていません。

中国の中央銀行はビットコイン(BTC)など既存の分散化された仮想通貨に対しては厳しい姿勢を取り、数ヶ月前から国家によって完全に規制されたデジタル人民元の導入を推進していました。

普及への一環としてデジタル人民元を提供するATMやカード発行だけでなく、プレゼントや宝くじを実施しています。

一方日本でのCBDCの取り組みは今回の黒田日銀総裁の発言により、PoCの第一段階にあり、第二段階ではさらなるテスト、今後最終的に銀行が必要と判断すれば第三段階として、PSPやエンドユーザーを巻き込んだパイロットプログラムが実施される予定です。

デジタル通貨への需要が高まる中、各国の中央銀行は慎重に取り組んでいますがもし将来、世界中でCBDCが決済手段として普及した場合、ビットコインなどにどのような影響を与えるかは未知数となっています。