スウェーデンの中央銀行である「スウェーデン国立銀行(Riksbank)」が、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)である「e-krona(eクローナ)」のパイロットプログラムを開始することを発表しました。また、プログラムは2021年2月まで行う予定であると明かしています。
eクローナのテスト運用開始へ
スウェーデン国立銀行は2月20日、2017年から研究に取り組んでいたデジタル通貨「eクローナ」の発行に向け、テスト運用を開始することを発表しました。
プレスリリースによると今回の目的は、同行が発行する、ブロックチェーン技術とも呼ばれるデジタル台帳技術を活用したデジタルクローナが、一般市民の中でどのように動作し機能するかについて知識を高めるものだとしています。
そのため、eクローナを実際に発行するかどうか・どのように設計され、どの技術を使用するかなどは現時点では決まっていません。
なお、2019年には技術的ソリューションを提供する大手コンサルティング会社アクセンチュアとの提携を発表していました。当時は2020年末までテストを行い、最大7年間の延長が可能となっていましたが、着々と準備が進んでいることがうかがえます。
21年2月まで実施、デジタル化を促進するか
eクローナの今回のテスト運用では、モバイルアプリやスマートウォッチ・カードなどを介した預金や引き出し、小売店や決済企業を通じた支払いを行うことが可能となります。
期間は2021年2月末までの1年間を予定しています。
スウェーデンはキャッシュレス化が進んでおり、国民の現金使用率も年々減少。2018年では、現金を使った取引は13%にまで減少していました。
決済もデジタル化が進み、モバイルアプリ決済が一般的となっており現金の使用を受け付けない店舗やレストランも多くなってきています。そのためeクローナを受け入れる土壌もすでに整っていると言えます。
一方で、高齢者や何らかの理由でスマートフォンを所有していない一部の人々の支払いは非常に困難になりつつあるため、このような状況下でのCBDCのテスト運用は非常に注目に値するものとなっています。
またCBDCと言えば中国もデジタル元の開発を行うと発表しており、バハマも発行に向けて着々と準備を進めています。
デジタル元に関する詳細な情報は未だありませんが、バハマでは今年後半にも正式に導入される見込みで、現在、スウェーデン同様にテスト運用中となっています。
どの国が一番最初にCBDCを正式に発行するかについても非常に楽しみと言えるでしょう。