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「CBDCはヘリコプター・マネー」チェコ国立銀行の理事会メンバーが批判。

チェコ国立銀行の理事会メンバーTomas Holub氏は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)に対して、懐疑的な姿勢を明かし「ヘリコプター・マネー」であると批判しました。

CBDCには未解決の問題が複数

チェコ共和国の金融市場を監督する機関で、中央銀行に位置するチェコ国立銀行(CNB)の理事会メンバーを務めるTomas Holub氏は、7月21日同国のメディアアウトレット4H Productionsのインタビューに応じました。

その中ではチェコの法定通貨「チェコ・コルナ(CZK)」の為替レート暴落を受け、チェコ国立銀行はどのようにデフレを防ぎ、経済をサポートしていくかと言った政策手段を尋ねられています。

インタビュアーがチェコ共和国のCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)発行の可能性について質問が及んだ際、Holub氏は顧客口座に直接流動性を提供するという点で、CBDCの果たす技術的な役割は「魅力的なコンセプト」と述べました。

しかしCBDCが現在の法定通貨システムに取って代わり、グローバル金融で果たす役割については懐疑的な姿勢を示しています。

Holub氏はCBDCについて「ヘリコプター・マネー」であると述べ、政府がバックアップするにあたり、多くの未解決の問題があると主張しています。

ヘリコプター・マネーとは景気後退の際、中央銀行や政府が大量の紙幣をばらまく経済政策のことです。対価を取らず国債を買い入れ財政資金を供給するため、債務超過に陥りインフレなど貨幣の信用低下につながると懸念されています。

マネーロンダリングへの懸念

Holub氏によればチェコ国立銀行の理事会の間で、CBDCがユーザーに匿名性を提供するのか、その際アンチマネーロンダリング(AML)対策の基準が適用されるのか、また有利子であるのかといった問題が提起されていると明かしました。

他にも問題はあるもののこれらを各国のCBDCプロジェクトに質問した際、完全で詳細な回答はどこからも返ってきていないと付け加えました。

また欧州の法律基準により、中央銀行がCBDCを発行する権限が欠けているとチェコの法律が不十分であることも批判しています。

一方チェコ共和国の現状として流通通貨のシェアが依然として高く、長期的に成長していることから流動性危機は無く、CBDC発行の必要性が減っているとも強調しました。

このようにCBDCについては各国でいまだメリット・デメリットについては研究中であり、Holub氏の懸念を明確に解消する段階ではないものの、CBDCの将来的な可能性については認める形となりました。