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中国のデジタル人民元、蘇州市で実証実験スタート。JD.comもパートナーに。

中国のCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)であるデジタル人民元の実証実験がスタートしています。深センに次いで蘇州市民に配布され、中国eコマース大手JD.comも決済を受け入れています。

蘇州でDCEP決済開始

テスト段階にある中国のデジタル人民元(DCEP)が、上海に隣接する蘇州市の一部住民10万人に新たにエアドロップされ、実証実験がスタートしました。配布された合計額は300万ドル(約3億1千万円)相当となる2000万DCEPと伝えられています。

デジタル人民元のエアドロップは宝くじの形で配布され、当選した市民らは1人あたり30ドル(約3100円)相当となる200DCEPを無料で受け取り、実際に使用することができます。

デジタル人民元の開発とテストの中心となっている深センではいち早く実証実験がスタートし1000万DCEPが配布されましたが、現地でしか決済手段として使用できませんでした。蘇州の実証実験ではオフラインとオンラインの両方で利用でき、大規模なものとなっています。

JD.comで利用可能に

北京に本社を置く中国最大級のオンライン小売業者JD.comの技術部門である「JD digits」は、デジタル人民元決済の受け入れを表明した初のオンラインプラットフォームで、蘇州の住民のウォレットに同じく200DCEPを配布する大規模エアドロップを実施していました。

JD digitsによれば12月11日に決済をスタートし、1日で約2万件のデジタル人民元の取引が行われたと述べています。利用者のうち80%が若い世代で、また支払いまでに要した時間もたった0.5秒と高速決済になっています。

別のオンラインショップではBilibili・Meituan・配車プラットフォームDidiでも決済として利用可能となっています。

中国の中央銀行である「中国人民銀行」の周小川元総裁は、先日上海で開催されたファイナンス・フォーラムにて、デジタル人民元の利点の1つは決済と外貨為替の変換が、リアルタイムで同時完了することだと述べています。

また国境間貿易や投資での利用を目的に構築されており、フェイスブックの独自通貨ディエムとは違い、法定通貨の地位を脅かすものではないと強調しました。

しかし将来的には中国がSWIFTのようなドルベースの国際決済システムを経由することなく、デジタルマネーの国際送金を行う可能性も指摘されており、一部の国との間で独自の民間取引チャネルを構築し、米ドルの優位性から抜け出そうとしているとの指摘もあります。

現在、中国の小売業者や金融機関などがデジタル人民元の導入が自社の業務にどのような影響を与えるのか注視していますが、各国からの監視も強まるだろうと見られています。