仮想通貨市場にとって中国の動向はいまだ価格に大きく影響を与えていると言えます。2019年には国を挙げてブロックチェーン技術を推進していく方針を発表し、直近では春節による暴落警戒やデジタル元の発行など、今後も注目が集まることは間違いありません。
ビットコインと中国の歴史
仮想通貨の資産運用を行う企業SFOXは1月22日、これまでの中国とビットコイン(BTC)のタイムラインに関するレポートを発表し、いかに影響を与える存在であるかを指摘しています。
中国は2018年の時点でビットコインのネットワーク・ハッシュレートの少なくとも71%以上を生成しており、いまだ世界有数のマイニング・ハブとして位置しています。
また中国国内では取引所での仮想通貨取引は禁止されているため、大規模なOTC市場と有数の企業が集まっており、国の出来事が価格に与える影響は大きいと言えます。
2011年には仮想通貨取引所BTCCが設立し、1年以内に取引サービスを開始していました。またその2年後にはHuobiやBitmainなど業界大手の企業が誕生しています。
2013年12月には、中国政府が銀行や取引所からビットコインの取り扱いを禁止する措置を取ることを発表したものの、2015年8月には「F2Pool・AntPool・BTCC Pool・BW.com」と4つのマイニングプールがハッシュレートの半分を占めていました。
また2016年11月には中国人民元の弱体化により、ビットコインの価格が上昇、昨年2019年には習近平主席がブロックチェーン技術を推進させる発表を行い、価格が33%上昇していました。
これからの未来|デジタル元
中国政府は情報の自由と同じようにビットコイン自体は欲しがってはおらず、国民が使用するのを防ぐためあらゆる努力をしています。その一方で保有することは法的に認めており、OTC市場などで手に入れることが可能となっています。
また中国人民銀行はCBDC(中央銀行発行のデジタル通貨)であるデジタル元の発行を発表しており、各国のデジタル通貨競争を一歩リードしています。
この背景にはもちろん通貨の流れの監視と国民の財政管理があると言えますが、デジタル決済・モバイル決済の普及が目覚ましい中国では、デジタル元が一般的に使用される可能性は非常に高いと言えます。
この技術はブロックチェーンを採用しているため、独裁政治を嫌う若い層がビットコインに触れる機会も普及とともに多くなると予想されます。
このように中国の動向は悪いニュースだけではなく、最終的には需要ももたらしてくれるかもしれません。