中国の共産党機関紙「人民日報」内の社説によると、ブロックチェーン技術が国内の産業と経済に改革をもたらすとし「未来はここにある」と賞賛しています。一方、仮想通貨に関しては「あくまで投機であり厳格な規制が必要だ」と発言。一貫して両技術が別物である姿勢を貫いています。
人民日報、仮想通貨・ブロックチェーンに関する社説を掲載
習近平国家主席の発言を受け中国では、壮大な開発計画にブロックチェーンが非常に重要なテクノロジーだとし、積極的に取り組み始めています。しかし仮想通貨に対しては厳しい措置を取り続けています。
共産党の機関紙「人民日報」が新たに公開した社説では、ブロックチェーンテクノロジーを賞賛した一方で仮想通貨に対して投機的だと警告しており、その姿勢に変わりがないことがうかがえます。
社説によればブロックチェーンが仮想通貨に付属しているテクノロジーであると認め「未来がここにある」と紹介しつつも仮想通貨に対する投機ではないと明確に表明しています。
また依然として初期段階であるため、安全性・標準・技術革新に関してさらなる開発と改善が必要だと指摘し、誇大広告や価値の伴わない「エア通貨」の宣伝やその他の活動、マネーロンダリングや違法取引を厳しく処罰すると強調しました。
さらに20を超える省ですでにブロックチェーンを促進する目的の政策が導入されていることを紹介し、ますます全面的に支援する様子を見せています。
仮想通貨にとってマイナス材料となるのか?
中国では2017年から仮想通貨取引制限とICOの実施を禁止しており、いまだ解除されていません。しかし中央銀行である人民銀行は取引を容易にし、かつコスト削減のためにデジタル通貨(CBDC)の開発に取り組んでいます。
このような中国の強気の姿勢は国のデジタル通貨・電子決済システム(DCEP)採用の前兆となりえ、フェイスブックのLibra(リブラ)を押しのけ、各国の競争から抜き出る可能性が大いにあります。
しかし中国政府がブロックチェーンを後押しする発言以来、中国銘柄の上昇が相次ぎました。最終的にどのような措置を取るのか不明ですが、新暗号法が制定されれば仮想通貨の立ち位置もより明確になると予想されます。
また、大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)のCZ氏は仮想通貨なしのブロックチェーンはあり得ないと述べた上で、中国には多くのプロジェクトが存在するため、今後政策が変わっていく可能性もあると言及しています。