中国のインターネット規制当局であるサイバースペース管理局(CAC)は、昨年10月にもブロックチェーン規制強化の草案を出し注目が集まっていましたが、今月10日、関連企業に対し「ブロックチェーン情報サービス管理規則 」を公布したことが判明しました。
2月15日から新たな規制を施行
CACのディレクターによれば、今回の「ブロックチェーン情報サービス管理規則 」は2月15日から実施する予定で、すでに国務院のインターネット情報局により検討、承認され公布および施行に至ったと述べています。
この条例により中国国内でのブロックチェーン企業は政府による検閲とユーザーなどの個人情報へのアクセス許可と提供を義務付けられる事となります。
CACは今回の決定に対し「業界の健全で秩序ある発展を促進するため」としていますが、政府は2017年から国内居住者の仮想通貨取引所へのアクセスの禁止、ICOやロビー活動などの禁止など過度な規制を行い続けてきていました。
規制の動機はセクハラ!?
今回の条例は昨年、10月から草案を発表していましたがその理由の1つとして、同年4月にイーサリアム(ETH)上のブロックチェーン上に北京大学の女学生が教員からセクハラを受けたとして匿名の告発文をアップロードしたことも背景にあるとしています。
公布された文書の中にも「ブロックチェーンサービスの提供者および利用者は国家安全保障を脅かし、社会秩序を乱し、法律および行政規則により禁止される行為に従事してはならない」との文言があり、禁止されている情報コンテンツをコピー・公開する行為も禁止されます。
このように政府にとって不利益となり得たり機密性のある情報を、匿名で改ざんできないブロックチェーン上に残らないよう、本来の特徴を封じる構えを見せています。
違反した企業は罰金、起訴
ガイドラインには企業はユーザーの行動を記録し、そのデータは要求された際に当局に引き渡すことになり約6ヶ月の保存が義務付けられることになり、本人確認の際に国民IDと電話番号が必須となります。
さらにブロックチェーンサービスを展開するWebサイトまたはモバイルアプリを運営する企業は、当局へ10日以内に事業者名、ドメイン、サーバーアドレスと共に登録申請しなければならず、変更点があれば5日以内に再度申請が必要となります。
申請手続きが完了すれば当局は20日以内に審査を行い承認されれば記録番号を付与されサイトへの表示が必須となり、これらの規則を遵守しなかった企業はサービスの停止、または5000元(約8万円)~30,000元(約48万円)の罰金、必要に応じて刑事訴追も課されることになる模様です。
規制を強める一方、ブルームバーグの報道によれば中国の中央銀行(PBoC)が国民の生活の監視を強めるため独自のデジタル通貨の発行を計画中との噂もあり、これには米中貿易戦争に見舞われている最中、米ドルの支配から逃れようとする狙いもあるとのことで今後の中国の動向が気になる所です。
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