3月12日から13日にかけて仮想通貨市場は高いボラティリティに見舞われました。しかし、その中でもトレーダーが利益を挙げている特殊な方法があることを大手仮想通貨取引所であるCoinbase(コインベース)がリサーチから特定しています。
特殊な2つの方法
コインベースが発表した内容によると、この特殊な方法は以下の2つが挙げられます。
①デリバティブとスポットの価格差を狙ったアービトラージ
②ステーブルコインのプレミアおよびMakerDAOのプロトコルの不具合
一部トレーダーはこれらの方法を利用する事で、現在のような高いボラティリティの中でも利益を挙げています。
①デリバティブとスポットの価格差
デリバティブとスポット価格に大きな差が生まれた場合、価格差は徐々に収束していく傾向があります。
そのため、スポット市場でビットコイン (BTC)をロングで持ち、デリバティブでビットコインをショートすることで、先物契約の満了時にその差分となるスプレッドで利益を出すことが可能です。
ただし、デリバティブの方ではポジションを維持するための費用が発生するので、それを上回る分の大きなスプレッドが必要となります。
一般的にはボラティリティが高くなり市場が荒れている状態ではスプレッドが大きくなりやすく、トレーダーにとってはデメリットになります。しかし、上記の手法では大きなスプレッドほど有利になるので、暴落時などで高ボラティリティが発生しスプレッドが大きくなっている時こそが、この手法を行う最適なタイミングとも言えるでしょう。
②ステーブルコインのプレミアおよびMakerDAOのプロトコルの不具合
コインベースの報告によると、暴落時に複数のステーブルコインがベースとなるフィアット価格を超えた金額で取引されたようです。
例えば、USDCは2%を超えたプレミアム価格で取引されました。USDTはボラティリティのピークタイミングで1.05ドルをマークしています。MakerDAOのプロトコルの不具合から、DAIの価格も一時的に数パーセントのプレミアムで取引されたとのことです。