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規制当局は分散型取引所(DEX)取引を完全に禁止する可能性がある=仮想通貨ファンドCEOが警告

仮想通貨ファンドThree Arrows CapitalのCEOは、市場操作の懸念から規制当局が分散型取引所(DEX)での取引を完全に禁止する可能性があると警鐘を鳴らしています。

DEXに暗雲?

10月2日、シンガポールを拠点とする仮想通貨ファンドマネージャーThree Arrows CapitalのCEOであるSu Zhu氏は、仮想通貨の先物やオプション取引が可能な取引所Deribitへ「Explaining and Exploring Spoofing(なりすましの説明と調査)」というタイトルでブログを寄稿しました。

そのなかでZhu氏はSpoofing(なりすまし)などの不正な市場操作が蔓延しているため、規制当局がDeFi(分散型金融)を非良心的かつ非警察的と判断した場合、次のステップとして分散型取引所(DEX)での取引を完全に禁止することになるかもしれないと持論を展開しています。

Spoofingとは約定する意思がないにもかかわらず大量の注文を発注し、価格が変動すれば大量にキャンセルする「見せ玉」と呼ばれる行為で、活発に取引が行われていると錯覚させる市場操作の一種です。

通常、各国では法律により罰せられますが特定の国の規制が適用しないDeFiではこのような不正行為が多いと指摘されています。

しかしZhu氏は現時点ではDEX上では大きな問題ではないとしたものの、もし今後central limit order(中央指値注文)を導入すればSpoofingなどの行為が発生したかの判断が不可能となるため、規制当局はDEX上の取引を禁止せざるを得ないと説明しています。

フロントランニング問題

Zhu氏はSpoofingにより実際に個人投資家が被害を被るかは未解決の問題であるとして、フロントランニングアルゴリズムを実装するフロントランナーの方が損失が大きいと主張しました。

フロントランニングとはフロントランナーが通常のオーダーより先回りして自分の売買を成立させる方法です。これにより通常のオーダーを出しているトレーダーは不利なレートでの取引となってしまいます。

しかしフロントランナーの行為を保護することにより一般トレーダーがSpoofingを気にしているかどうかの有用なA/Bテストになるかもしれないと指摘しました。

先週には大手投資銀行のJPMorganが8年間に渡って貴金属と米国国債市場でSpoofingを行ったとして、9億2,000万ドル(約971億円)の罰金を科せられたばかりです。フィナンシャル・タイムズ紙によれば、市場操作に対するこれまでの処罰をはるかに上回るもので深刻なものであると報道しています。

9月のDEXの総取引高は228億ドル(約2兆4000億円)台に達し、8月と比較すると約2倍の増加となっています。そのため規制当局もこのまま見過ごすことはあり得ないと予想されます。