2017年に起きた仮想通貨バブル時には、ICOを通して数多くのイーサリアム(ETH)ベースのERC-20トークンが生まれました。その中でもEOS(EOS)とTRON(TRX)はスマートコントラクトプロジェクトとして大きく成功しています。どちらのプロジェクトも現在は独自のメインネットに移行し、新たなdApps(分散型アプリケーション)のプラットフォームとして開発者から注目を浴びています。
最も活発に開発が行われるETH、EOS、TRX
最近のブルームバーグの調査によると、イーサリアム(ETH)ネットワークを使用して開発をおこなっていたdAppユーザーは、昨年ではほぼ100%であったのに対し、2019年1月には約28%と大幅な減少を見せているようです。
その背景にはEOSとTRONのネットワークの台頭があります。EOSのネットワークを使用し開発を行っているdAppユーザーは約48%、TRONのネットワークは約24%を占めているとの事です。
その一方、DappRaderの最近のレポートによると、イーサリアムはdApps市場のうち40%のシェアを獲得しており、EOSとTRONは20~30%を占めていると発表されています。他にもごく少数ですがSteemやIOST上でdAppsのアプリを開発しているユーザーもいるようです。
では、今後dAppsアプリなどを開発する上でどのスマートコントラクト・プラットフォームを選択するのが最適なのでしょうか?
重要な3つのポイント
仮想通貨アナリストのマルコ・マナッポ(Marco Manoppo)氏によれば、アプリの開発にどのスマートコントラクト・プラットフォームが適しているかを選ぶには、下記3つの開発度合いが鍵になると自身のMediumで解説しています。
■相互運用性
将来、ブロックチェーンの技術が成長し各国で採用されるようになれば、異なるブロックチェーン間で動作するトークンも相互で運用できる必要があります。
例えば、医療業界で患者のデータなどに使用されるプロジェクトも、支払いチャネルとして動作するプロジェクトとも連携出来る必要が出てくるでしょう。
■真の分権化
1秒あたりのトランザクション数が多く処理できると主張するプロジェクトは、それを達成するためにある程度の分散化を犠牲にしています。
ただし、プロジェクトによって既存の中央集権型モデルが大幅に改善されるかには疑問があります。新たに分散型ネットワークを構築するにはコストがかかるため、改善される点がわずかなのであれば、そのプロジェクトを進める必要がありません。
■スケーラビリティ
例えば、イーサリアムの現在の1秒当たりのトランザクション数は20未満であり、世界的に採用を促進できるような数字ではありません。VISAカードなら毎秒約1700の取引を処理できます。
毎秒約1700という数字はイーサリアムが世界に採用されるのに達成しなければならない数値です。IoTへの取り組みを目指すブロックチェーンプロジェクトにはより高い処理能力が必須となります。
マナッポ氏は、現在ブロックチェーンによるスマートコントラクト業界では様々なプロジェクトによる競争が激化しているとも述べています。
その上で、より実用的なユースケースが出現するにつれ、市場は企業と消費者に価値を提供できるプロジェクトなのかの真価が問われるであろうと結論付けました。
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