時価総額2位に位置しているイーサリアム(ETH)は、価格が好調なビットコイン(BTC)の裏で着実にプロジェクトが進んでいます。先月と年明けにもハードフォークを繰り返し、業界の技術をリードすべくアップデートし続けています。
来たるべき時に向け、進化するイーサリアム
イーサリアムがビットコインの価格を追い越すことは恐らく困難とされていますが、アルトコインの中でもトップに君臨し続けており、今後も生き残る可能性は非常に高いとされています。
イーサリアムは前年12月にイスタンブール、2020年に入りすぐにムーア・グレイシャーとハードフォークを行い、アップデートしていました。
イスタンブールはスケーラビリティの改善、ムーア・グレイシャーはマイニング難易度を調整する「ディフィカルティボム」の適用を約611日間遅らせることが目的となっています。
ディフィカルティボムを実装することにより、マイナーのPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へとスムーズな移行が実現されますが、ブロック生成の時間が遅れることからトランザクションの遅延などが心配されていました。
これまでにもディフィカルティボムによってマイニングの不具合の影響がたびたび見られたことから、今回のムーア・グレイシャーの実施に至っています。
スケーラビリティの改善はシェアを拡大できるか
イーサリアムがここまで人気となったのは取引の際の契約を自動で実行・保存できる「スマートコントラクト」が要因の1つとして挙げられます。実際にイーサリアムのプラットフォームにて多くの新しいトークンやdApps(分散型アプリケーション)が誕生しています。
その一方で、ユーザーが増加するにつれイーサリアム・ブロックチェーンのアクティビティも比例し、取引時間や送金の際に必要なガスの料金が高騰すると言う課題も浮き彫りとなりました。
イスタンブールによりこれらの解消を目指していますが、先月にはコンサル会社アーンスト&ヤングは「Nightfall」と呼ばれるイーサリアムベースとなる企業向けツールを発表しています。
Nightfallはパブリックブロックチェーンに移行する際の機密性の低下など、関連のある問題点を修正するものとなっています。企業からも支持を得るイーサリアムですが、2020年の動向も期待できると言えます。