これまで仮想通貨ビットコイン(BTC)の先物市場で覇権を握っていたBitMEX(ビットメックス)ですが、3月に起きた大暴落以降、勢いを取り戻せていません。またその一方で、Binance(バイナンス)の先物取引部門「バイナンス・フューチャー」への資金流入が増えていることが分かりました。
ビットメックスに陰り
仮想通貨データ分析企業Coin Metrics(コインメトリクス)は4月21日、第47回「State of the Network」と呼ばれるレポートを発表しました。
このレポートは「ブラック・サーズデー」の影響を理解することが目的とされており、世界最大の仮想通貨デリバティブ取引所であるビットメックスは3月の市場暴落以降、ビットコインの先物の建玉と出来高が減少している事が報告されています。ビットメックスと言えばこれまで仮想通貨市場の勢いを示す指標となっていました。
さらに同レポートでは、大手仮想通貨取引所バイナンスの先物取引部門「Binance Futures(バイナンス・フューチャー)」は順調であることが伝えられています。
バイナンスが先物市場でも覇者に
コインメトリクスのレポートによると、ビットメックスのビットコイン先物の建玉市場シェアは3月中旬には35%超だったのに対し、4月中旬になると25%近くにまで落ち込んだことが分かります。
また取引量も同時期に約25%から20%以下にまで落ち込んでいます。3月30日には一旦は回復したものの、4月に入り再び減少していました。
一方、バイナンス・フューチャーの取引量は3月中旬には10%だったのに対し、4月中旬には25%まで達しており、建玉シェアも5%から10%にまで伸びています。
同じく仮想通貨市場のデータをリアルタイムで配信しているSkewによれば、ビットコイン先物の24時間取引量がバイナンスが28億ドル(約3013億4000万円)でトップとなっています。
2位がHuobi(フォビ)で24億6000万ドル(約2649億円)となっており、次いでビットメックスが21億ドル(約2260億4000万円)と3位に位置し、コインメトリクスのレポートを裏付ける形になりました。
しかしビットメックスは市場シェアの減少はDDoS攻撃の影響によるものだと説明しています。3月の暴落時にはDDoS攻撃によって、サイトへのアクセスが30分間程不可能になっていました。
当時ビットコインの価格は一時3,600ドル(約38万円)台にまで落ち込み、一部ではビットメックスが関与しているとの指摘もありましたが、これは陰謀論であるとしてビットメックスに否定されています。