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「金融庁のガイドラインが続々決定!」仮想通貨に対する金融庁からの規制内容とは?

金融庁からのガイドラインが続々と決定している仮想通貨。これらの内容を理解しておくことは、取引をするうえでも重要なポイントとなります。

今回の記事では、金融庁の規制が仮想通貨業界にどのような影響を持っているのかや、仮想通貨に規制が必要な理由など、規制に関するさまざまな事柄を初心者向けにわかりやすく解説していきます。

金融庁と仮想通貨業界の関連性

仮想通貨_規制_金融庁

仮想通貨業界は金融庁の管轄下にあります。また、金融庁は仮想通貨業界に対して、規制や取り締まりを行う役割を担っています。

規制や取り締まりがない状態では、違法行為が横行してしまう可能性があります。金融庁が規制や取り締まりを行い秩序をもたらすことで、仮想通貨業界の健全な成長を促します。

金融庁が仮想通貨の規制をする主な理由

仮想通貨_規制_規制の理由

そもそも、仮想通貨にはなぜ規制が必要なのでしょうか。金融庁が仮想通貨の規制を行う理由には、大きく分けて以下の2点が挙げられます。

・投資家保護
・マネロン対策

それぞれの詳しい内容を確認していきましょう。

投資家保護

投資家保護とは、仮想通貨に投資をする投資家を、詐欺、事故、取引による極端な損失から保護することを指しています。仮想通貨においては、2014年に起こったマウントゴックス社の破綻で投資家保護が重要視されました。

ハッキングを受けていたマウントゴックス社は大きな損害を出していましたが、それ以外にもユーザーの資金を他の業務に流用するなどの違法行為を行っていたことが明らかとなっています。

こうした違法行為を未然に防ぐためにも、規制を設けることは大事なポイントとなります。

マネロン対策

仮想通貨_規制_マネロン対策

マネーロンダリング(以下:マネロン)の対策としても、規制は重要な役割を担っています。マネロンとは、いわゆる資金洗浄のことです。仮想通貨は取引の手軽さからも、マネロンに利用されやすく、対策を講じなければ、脱税や犯罪組織への資金援助など違法行為の助長に繋がってしまいます。

こうしたマネロン対策の国際的な機関として、FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)があります。FATFでは、世界的に遵守が必要なマネロン対策のガイドラインを発表しています。2019年6月21日に発表されたガイドラインでは、KYC(本人確認)の厳格化や取引所間の情報共有などが明記されました。

FATFのガイドラインは、仮想通貨の規制に関する国際的な基準となっています。2018年末に行われたG20においても、マネロン対策にはFATFのガイドラインに沿った対応をすることで合意が行われました。また、金融庁にとっても、このガイドラインは規制を行う重要な指針の1つとなっています。

FATF|VIRTUAL ASSETS AND VIRTUAL ASSET SERVICE PROVIDERS

規制が必要となった流れ

仮想通貨は2017年末に爆発的な流行となりました。多くの社会人や学生などがこぞって仮想通貨取引所に登録し取引を行ったことで仮想通貨市場には大量の資金が流れ込み、価格は右肩上がりに。さらに、テレビなどのメディアで連日取引所のCMが流れたことで、仮想通貨投資家は急激に増加しました。

そんな中、2018年1月、大手仮想通貨取引所であるCoincheck(コインチェック)にて保管されていた仮想通貨ネム(NEM)が大量流出。このニュースは一晩のうちに広がり、仮想通貨の価格が暴落する引き金となりました。また、盛んに行われていたICO(プロジェクトの資金集め)の中には詐欺も含まれており、詐欺ではなくとも多くのプロジェクトが当初の目標を達成できず、投資家に損失をもたらすこととなりました。

誰もが気軽に取引することができたからこそ、仮想通貨には多くの投資家が参加しました。そこには今までに投資の経験がない投資家や仮想通貨についての知識もないままに飛びこんだ投資家も含まれています。沢山の投資家がハッキング被害や詐欺に巻き込まれ資金を失いました。

このような事態を重く見た金融庁は、投資家保護を目的とし、仮想通貨の取り扱いなどを厳しく取り締まるようになったのです。

改正資金決済法(仮想通貨法)

仮想通貨_規制_改正資金決済法

仮想通貨の規制に関して、もっとも大事なポイントとなるのが平成29年4月1日から施行された改正資金決済法です。この項目では、改正資金決済法によってどのように仮想通貨が規制されたのか、詳しい内容を確認していきます。

仮想通貨交換業

改正資金決済法の施行以前は、交換業の登録をしなくてもサービスを提供することができました。いっぽうで、改正資金決済法では、仮想通貨と法定通貨の交換サービスを提供する場合、金融庁に仮想通貨交換業の登録を行う必要があります。金融庁が定める仮想通貨交換業の定義は、以下のようになります。

・仮想通貨の売買または仮想通貨同士の交換を提供する
・上記の行為の媒介、取次、代理業務を行う
・上記2つの行為の中で、ユーザーの金銭や仮想通貨の管理をする
・上記3つの行為を事業として行うこと

仮想通貨交換業の定義が定められ、金融庁への登録が義務付けられたことで、厳しい審査をパスしなければ国内では交換業を行えなくなりました。交換サービスを提供するいわゆる「取引所」は、仮想通貨市場においては流動性の要となる重要な役割を持っています。その取引所の運営について、厳格なルールを定めたことは、国内の規制における大きなターニングポイントだったといえます。

金融庁|暗号資産(仮想通貨)関係

みなし業者について

みなし業者とは、仮想通貨交換業の登録制度導入よりも以前に、仮想通貨交換業者として営業していた業者のことを言います。

過去には仮想通貨交換業者としての登録義務はなく、認可なしで営業することも可能だったため、導入後も特例としての営業が認められていました。

しかし、ハッキング事件の起きた仮想通貨取引所がみなし業者であったこともあり、金融庁は仮想通貨交換業者の登録基準を厳しくし、既存の業者に対して業務改善命令、または業務停止命令を出すこととなりました。

ホワイトリスト(匿名通貨の廃止)

後ほど詳しく解説しますが、金融庁が認可した交換業者で取り扱っている仮想通貨の一覧のことを、ホワイトリストと呼びます。現時点では、匿名性の高い仮想通貨はホワイトリストには入っていません。

国内取引所のCoincheckでは、モネロ(XMR)、DASH(ダッシュ)、ZCH(ジーキャッシュ)といった、匿名性の高い仮想通貨を過去に取り扱っていました。これらの仮想通貨は、取引記録がブロックチェーンで一般の人々にも公開される通常の仮想通貨とは違い、プライバシーを重要視しているため、一般には公開されない匿名での取引や送金が可能となっています。

そのいっぽうで、こうした仮想通貨はテロ組織の資金調達やマネーロンダリングといった、金融庁など規制機関が危惧する犯罪に使われる可能性を秘めています。こうした背景もあり、Coincheckでは金融庁からの認可取得のため、匿名性の高い仮想通貨の取り扱いを2018年5月に中止しました。

仮想通貨交換業

仮想通貨_規制_仮想通貨交換業

改正資金決済法では、国内で交換サービスを提供する場合、仮想通貨交換業の登録が必要でしたね。この項目では、仮想通貨交換業として登録するために、具体的にどのような基準をクリアする必要があるのかを確認していきたいと思います。

財務規制

まずは財務規制です。改正資金決済法では満たすべき要件として、以下の2点が挙げられています。

・資本金が1,000万円以上ある
・純資産額がプラスとなっている

上記を見る限りでは、資本金に関してはそれほど要件は高くなさそうです。いっぽうで、純資産額がプラスになっていることなど、健全な財務状況であることが仮想通貨交換業の財務基準として求められていることがわかります。

行為規制

続いて、仮想通貨交換業の行為規制を確認していきます。以下のような事項を行為規制として、仮想通貨交換業では遵守することが求められます。

・名義貸しを禁止すること
・情報を安全に管理する義務
・業務委託先に対する指導
・利用者の保護に関する措置
・利用者財産の適切な管理義務 など

情報を安全に管理する義務に関しては、特に重要なポイントとなります。仮想通貨においては、「情報の流出=資産の流出」に他なりません。人材の配置などを含めて、情報を適切に管理できていなければ、サイバー攻撃による資産の流出など重大なリスクに直面する可能性が出てきてしまいます。

監督規制

3つ目となるのが、監督規制です。監督規制において、金融庁が設けた基準は以下のようになります。

・帳簿の作成・保管義務
・報告書の提出義務
・立入検査などの業務改善命令
・登録の取消や抹消 など

特に重要となるのが、帳簿の作成・保管義務です。これは、どのユーザーがどんな取引を行ったかや仮想通貨をどれくらい保有しているかなどの情報を、日々記録し適切に保管することを指しています。税金関係の調査にも繋がる大事なポイントといえます。

マネロン規制

最後に登場するのが、マネロン規制です。マネロン規制では、以下のような点が厳守すべき項目として定められています。

・口座開設における取引時確認の義務
・疑わしい取引の届出を行う義務
・監査など社内における管理体制の整備 など

特に重要となるのは、取引時確認の義務です。ユーザーの本人確認を徹底することで、第3者のなりすましを防ぎ、マネロンを防止します。また、疑わしい取引の届け出を行わせることで、こちらもマネロンの防止へ繋げることができます。

ホワイトリスト

仮想通貨_規制_ホワイトリスト

先ほども軽く触れましたが、ホワイトリストは金融庁が認可した交換業者で取り扱いがある仮想通貨のリストのことです。誤解されやすい点なのですが、実際に金融庁が発行しているリストではありません。

本来、ホワイトリストはITの世界で使われている用語です。ホワイトリストには、警戒する必要がない受け入れ可能な物の一覧という意味があります。これを基にして、仮想通貨業界では「金融庁が取引所を認可する=取り扱っている仮想通貨も受け入れた」という意味を込めて使われています。いわゆる、コミュニティ内の俗語です。

たとえば、11月には金融庁から認可を受けている国内取引所Coincheckに、仮想通貨ステラ(XLM)が上場しました。これによって、ステラの国内での取り扱いを、実質的に金融庁が認めたと解釈することができます。それと同時に、ステラがホワイトリストに入ったということもわかります。

ICOへの注意喚起

仮想通貨_規制_ICOの注意喚起

金融庁は、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)への注意喚起を行っています。ICOとは企業がトークン(いわゆる仮想通貨)を発行・販売することで、事業を行うための資金を調達することを指しています。

いっぽう、ICOでは実際には事業を行わないにも関わらず資金を集める詐欺も横行していました。これに対して、金融庁では2017年10月27日に注意喚起の文書を出しています。

また、2019年6月21日に改正版として公開された事務ガイドラインでは、ICOに対しての定義付けや、仮想通貨交換業者が主体または仲介して行うICOに関する取り決めなども追記されました。

金融庁|ICO(Initial Coin Offering)について ~利用者及び事業者に対する注意喚起~

金融庁|「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」の一部改正(案)の公表について

まとめ

仮想通貨_規制_まとめ

以上、金融庁の規制について解説してきました。今回紹介したように、規制があることで取引や取り扱いにはさまざまな制限がもたらされます。そのいっぽうで、犯罪の助長を防ぎ、市場の健全な成長を促す良い側面もあります。日本の仮想通貨市場は、世界的に見ても規制を含めて洗練されているといえるでしょう。

楽天やLINEなど、大手企業も仮想通貨市場に続々と参入してきています。仮想通貨は投機から徐々に実利用のフェーズへと移行しており、それに伴って今後も規制が増えていく可能性があります。今回紹介した内容だけでなく、今後の金融庁の規制の動きにも、ぜひ注目してみてくださいね。