テザー(USDT)疑惑がきっかけとなって以来、多くのステーブルコインが発行され、プロジェクトは好調の様子をみせています。しかし、ウィンクルボス兄弟が発行した「ジェミナイ・ドル(GUSD)」だけがここにきて時価総額が80%も減少するなどの大きな遅れを取っています。一体、何があったのでしょう?
ジェミナイ・ドルが苦戦
テザーを発行するテザー社と仮想通貨取引所Bitfinex(ビットフィネックス)がニューヨーク州の司法長官に資金隠蔽疑惑を指摘されて以降、その他の主要ステーブルコインを使用するユーザーが増え、時価総額も軒並み上昇しています。
しかしこの傾向の中、米仮想通貨取引所ジェミニを運営するウィンクルボス兄弟が発行するステーブルコインであるジェミナイ・ドルの時価総額は2,200万ドル(約24億円)を下回るなど大幅な下落傾向にあり、80%も減少していることが、仮想通貨メディアThe blockによって指摘されています。
ジェミナイ・ドルが苦戦している理由ははっきりとは分からないものの、一部情報筋によると、昨年末、一部企業やトレーダーなどへ、採用拡大に向け市場価格より安く販売したとされるマーケティングが原因ではないかとされています。
ステーブルコインは通常ドルとペッグされているため1ドルの価値が担保されていますが、トレーダーは上場前にそれよりも安く購入したジェミナイ・ドルを使って、別の取引所の他のステーブルコインを購入し現金化する事が可能です。
このようにトレーダーは裁定取引といわれる方法で、差額により利益を得ていると以前から指摘されていました。
一方、ライバルであるパクソス(PAX)も同様の値引き販売を実施していましたが、その時価総額は2億ドル(約217億円)も増加しています。
競合他社と比べ遅れを取っているのも原因か?
ジェミナイ・ドルが競合他社に遅れを取った形でプロジェクトをスタートさせた事も、要因のひとつとされています。ライバルのTrueUSD(TUSD)はジェミナイドルより先に発行されており、その点でいまだ優位性があるといえます。
USD Coin(USDC)は米仮想通貨取引所Coinbaseや発行元のCircle社という巨大な顧客を確保し、全体の10%の取引量を占めています。
さらに一番大きい差と思われるのが「PAX/TUSD/USDC」は仮想通貨業界でも最大の流動性を誇る仮想通貨取引所Binanceに上場しているのに対し、ジェミナイ・ドルは合意できず、上場を果たしていない事だとされています。
このように苦しい状況にあるジェミナイ・ドルですが、仮想通貨での金利サービスを提供している「BlockFi」は、ジェミナイ・ドルのサポートを発表したばかりです。
ウィンクルボス兄弟といえば仮想通貨業界の中でも重要人物されており、今後どのような手を打っていくのか、その手腕が問われます。
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