香港ではいまだデモ隊の活動が活発です。英金融大手グループHSBCはデモ隊による破壊行為を懸念し、19地区におよぶATMの週末夜間のサービスを停止することを決定しました。また、この様な金融サービスの制限は香港でのビットコイン(BTC)取引の活性化を促す可能性があるとして業界から注目を集めています。
HSBC、香港19地区のATMサービスを一部制限
市民と政府の過激な衝突に揺れている香港ですが、銀行業界も多大な影響を受けています。
HSBCは混乱地域の支店とATMがデモ隊の襲撃に遭ったことを受け、被害を避けるため、香港内に19ヵ所設置してあるATMに関して、週末夜間のサービスを停止することを決定しました。
香港と言えば最も大きな金融市場の一つであり、HSBCにとっても2019年上半期の税引き前利益の半分を超える125億ドル(約1兆3540万円)を占めているため、この決定は驚くべきことであると言えます。
しかし、HSBCの抗議活動に対する措置は今回が初めてではありません。2019年11月には抗議活動を支援しているとされる顧客の口座を凍結しています。この措置が発端となり、政府の弾圧を後押ししたとして支店とATMが襲撃のターゲットとなっていました。
今回の決定は市民にとっても大きな痛手で、中央集権による検閲強化と金融サービスの不十分さが高まるにつれ、支払い方法の代替案に対する需要が高まってきていると言えます。
ビットコインに注目は集まるのか?
香港の行政地区には現在、54台の仮想通貨ATMが設置されています。通常のATMと比較すれば少ないものの、ビットコインなどの仮想通貨は政府や銀行がコントロールできない支払い手段となる可能性があります。
また抗議活動参加者からは、通常のインターネットとは独立した小型デバイスやP2Pメッシュネットワークの開発も提案がなされています。
実際に、香港ではビットコインのP2P取引プラットフォーム「LocalBitcoin」の使用が活発となっていましたが、本人確認を強化したため取引量が減少していました。現在残されている方法は直接P2P取引を行うことしかありません。
また香港には155個のビットコインノードがホストされており、ビットコインネットワークにとって12番目に大きなスポットとなっています。
このように、香港での抗議活動に対し、仮想通貨が市民の口座凍結など金融サービス制限の障壁を埋める可能性があるとして、業界から注目を浴びています。ビットコインの保有も取締りに代わる選択肢の一つとなりえるかもしれません。