大手IT企業IBMは、ブロックチェーン技術を駆使した送金ネットワークサービス「World Wire」を開始したことを発表しました。各国の大手銀行6つが参加を表明しており、独自のステーブルコインの発行も計画していると伝えており、国際送金がより便利となりそうです。
IBM、国際送金をより便利に
IBMはシンガポールで開催された「MONEY2020」にて、金融機関向けのグローバル決済ネットワーク「World Wire」が正式にアクセス可能となる事を発表しました。
これは外国為替や国境を越えた送金をより迅速に最適化する目的で立ち上げられたプロジェクトで、72ヶ国の44の銀行、47の通貨で決済サービスを可能にする事を目指しています。
既にBanco Bradesco(ブラジル)、プサン銀行(韓国)、Rizal Commercial Banking Corporation(RCBC/フィリピン)を含む6つの銀行が参加を表明しており、「World Wire」上で使用されるユーロ、ウォン、レアルなどの法定通貨と連動したステーブルコインの発行の計画も明らかとなっています。
IBMブロックチェーンのゼネラルマネージャーMarie Wieck氏は、次のように述べています。
「金融機関が複数のデジタル資産をサポートするネットワークを構築することにより革新を促進し、世界中で金融包摂を改善することが期待されます。」
ステラ(XLM)のプロトコルを採用
「World Wire」はP2Pでの送金を容易とする仮想通貨ステラ(XLM)のプロトコルを採用しており、従来のコルレス銀行での送金の複雑さに変わり、より直接的なクロスボーダー決済の提供を目指しています。
仮想通貨やステーブルコイン、ブロックチェーンを使用する事により、仲介者の必要性を劇的に減らし、秒単位での決済を可能にするため効率性やコスト削減にも繋がるとされています。
RCBCの副社長Manny T. Narcisco氏は今回の発表を受け次のように述べています。
「RCBCは規制当局からの承認を待ってWorld Wire上で独自のペソに連動したステーブルコインを発行する計画を持っており、World Wireは支払いインフラを変革し強化する絶好の機会を提供しています。」
一方、国際送金と言えばJPモルガン・チェースが発行するJPMコインも話題となったばかりです。JPMコインも独自のサービス内で使えるものとなっていますが、国際送金市場の簡略化はより一層、競争が激化の一途を辿る事となります。
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