仮想通貨プロジェクトであるアイオタ(MIOTA)と、IoTプラットフォームを提供するEVRYTHNGが、分散型元帳技術をベースにしたIoTアプリの開発のために提携することを発表しました。
EVRYTHNGはあらゆる商品をネットワークとつなげ、インタラクティブに追跡可能にするIoTプラットフォームです。両者のパートナーシップには、EVRYTHNGが提供するBlockchain Integration Hubで、アイオタのいくつかのコアテクノロジーが利用されることも含まれています。2つのテクノロジープラットフォームの提携によって、将来的に、生産者はIoTアプリケーションの迅速なテストや拡張、導入ができるとしています。
大手ブロックチェーンネットワークとの統合
今回の発表では、新しく開発されるIoTアプリによってサプライチェーン間でリアルタイムの情報共有が可能になり、顧客に対して商品の来歴(生産地など)などが提供できるようになると述べられています。
今回の提携は先端的な取り組みとも言え、EVRYTHNGの共同創設者で最高技術責任者(CTO)のDominique Guinard氏は、以下のようにコメントしています。
「Blockchain Integration Hubは設立から1周年を迎えました。この1年の間に、OriginTrail(TRAC)、Tierion(TNT)、BLOCKv(VEE)、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)など、世界でも有名なブロックチェーンと強力な統合を実現してきました。それだけでなく、このテクノロジーを使用して実際にアプリケーションの起ち上げにも成功しています」
これに加えてGuinard氏は、
「私たちはアイオタとの戦略的提携を非常に楽しみにしています。なぜなら、まったく種類が異なる分散型元帳テクノロジーであるアイオタとの提携は、消費者や生産者に対して新しい機会を提供することに繋がるからです」
とも述べています。
IoTとブロックチェーンは数百万ドルの資金を集める大型市場になる
4大会計事務所(Big 4)の1つでもある、プロフェッショナルサービスファームのDeloitte Touche Tohmatsuが行ったセクター全体を対象とした調査では、製造および消費財部門で働く幹部の42%が、2020年中に約500万ドルをブロックチェーンや関連するシステムに投資する予定であるという推定が出ています。
また、この報告書では、IoTアプリケーションが、消費者保護とサプライチェーン管理プロセスの開発を中心に多額の投資を惹きつける可能性についても示唆されています。
EVRYTHNGプラットフォームのスケーラビリティ、成熟度、インタラクティブを向上させるアイオタ
今回の発表では、ブロックチェーンのシステムには多くの日常的なビジネスプロセスを合理化する可能性があることを踏まえたうえで、業界の先駆者はさまざまな課題を克服しなければいけないとも述べられています。具体的には、どのタイプの実装が最適に機能するかを判断するためにかかる、ブロックチェーンまたはDLTプラットフォームのテストに関連した高いコストが、その例として挙げられました。
こうした課題に対し、EVRYTHNGはアイオタがEVRYTHNGのBlockchain Integration Hubにまったく別の次元をもたらすとと考えているようで、それが、EVRYTHNGの開発者がアイオタをプラットフォームに選択する要因になったとしています。
アイオタとの提携によって、スケーラビリティ、成熟度、インタラクティブの向上が実現でき、どのブロックチェーンがビジネスに最適に機能するか判断できるようになるとされています。さらに、ユーザーは信頼性が高く、許可も必要ない分散型の環境を使い、取引手数料なしで安全にデータや支払いの転送が可能になるとのことです。
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