米国内国歳入庁(IRS)は新たな所得税申告書の草案の公表に先立ち、記入欄にあらゆる仮想通貨取引や保有に関する記入欄を作成することが分かりました。これにより仮想通貨投資家に対する税金を容易に徴収することが期待されています。
国民の仮想通貨取引開示を強化
10月23日、米国の税務当局である米内国歳入庁(IRS)は個人が仮想通貨活動の申告に対するガイダンスを発表しました。そのなかで個人所得税申告者(フォーム1040)へ仮想通貨取引に関する記入欄が設けられていることが分かっています。
ガイダンス文書によれば、納税者は仮想通貨(暗号資産)を使って
・任意の金額で販売
・商品やサービスと交換
・他アルトコインなどへ交換
した場合など発生した損益を計算しフォームに記入、申告する必要があります。またハードフォークやエアドロップ、その他の方法で無料でデジタル通貨を受け取った場合にも申告書の「YES」の欄にチェックを入れることになります。
しかし、納税者が年間を通じて仮想通貨を同一のウォレットに保有している場合や、自身が管理している異なるウォレットに移動した場合などは保有とみなし、利益として申告する必要はないとのことです。
納税申告をシンプルに
この草案とガイダンスは新たな法律や今後数ヶ月の間に、何らかの予期せぬ問題が発生するまで現在の形式で展開される予定となっており、今回のIRSの明確化は米国で仮想通貨取引を行っているユーザーに広く支持されることが期待されています。
これまで明確なガイダンスがなかった時期にもIRSは、仮想通貨取引の税金を申告した米国住民に納税額が少なすぎないか?納税額が間違っていないか?などを確認するための情報を要求する「ソフトレター」を送付してきていました。
今回発表された新様式の確実性が増せば、仮想通貨取引に関する税金の徴収が容易になることが期待される一方で、個人がいつ税務当局にデジタル通貨の利益を申告すべきかについて、より明確な指示を得ることができるようになっています。
IRSは今月初めにも財務省と協働して、仮想通貨に関する税務ガイダンスの明確化に向けて動き出していました。その際には仮想通貨取引所がユーザーの代わりに取引履歴を報告し、課税を強化する方向で動いていました。
これまで仮想通貨取引における税金や関する定義が州によって異なり、投資家は複雑さと困難を極めていました。IRSが率先して統一を取り決めることにより参入が容易となるため、ユーザーの増加や各国への影響に繋がることも期待されています。