イタリア政府のMatteo Salvini副首相は、銀行の貸金庫にある資産に課税する計画があることを11日夜のテレビ番組出演時に明らかにしています。もしこの計画が採用されるのであれば、貸金庫の資産がビットコイン(BTC)へ流れてくるかもしれません。
イタリア副首相が貸金庫の資産に課税方針を示す
Salvini副首相のこの発言は、イタリアの銀行が提供する貸金庫に数千億ユーロ相当の資産があることを知ったことがきっかけのようです。これらの資産は実質的に税金の対象にならない隠し資産だと指摘しています。
また、もし国民が貸金庫の資産を自主申告した場合には、比較的低めの15%の税率を適用するとも答えています。
加えて、Salvini副首相はこの課税計画には市場に新しい資金を流入させる意図があるとも答えており、貸金庫の資産が解放されることで、他の隠し資産も市場へ流れてくるだろうと見解を示しています。
ビットコインが急上昇する可能性も?
欧州委員会はEUの財政規律に違反したとして、イタリアに30億ユーロの制裁金を課す可能性があるとしています。イタリアでは公的債務などの過剰な財政赤字が進行しており、赤字是正を行わなければEUによる制裁が行われてしまいます。貸金庫への課税の背景には、こうしたEUの姿勢が影響しています。
米国の資産運用会社であるMorgan Creek DigitalのAnthony Pompliano氏は、今回のイタリア政府の課税の動きはビットコインにとってはポジティブであるとし、下記のような見解を示しています。
「イタリア副首相は、国民の貸金庫に保管している資産へ課税する計画を提案しています。この提案を受け、世界中でさらに多くの人々が、自分達の富を保管するための継続的な手段を探し始めたとしても驚かないでください」
ビットコインは政府や銀行で管理することができない、ボーダレスなグローバル通貨です。取引の記録は、ブロックチェーン上に半永久的に記録されます。イタリア人にとっては、ビットコインを保有することが自分達の資産を管理するための、最適な手段になるかもしれません。
経済混乱がビットコイン導入を促進
現在欧州では、地政学的な要因により伝統的な金融市場が混乱しています。ファイナンシャル・タイムズのレポートでは、ユーロ圏の株価はここ5ヶ月でボラティリティのピークを迎えていると述べられています。これらの要因には、米中貿易戦争やイランの核合意崩壊なども影響していることが予測されています。
ベネズエラではハイパーインフレにより、自国通貨のボリビアよりもビットコインの方が価値の保存機能を果たしています。政府の管理下にないことで通貨危機や政情不安などに依存しないビットコインは、世界経済の混乱と比例して今後も需要が増していきそうです。
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