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米国財務省、仮想通貨の自己ホスト型ウォレットに対しKYCを強化する新たな規制案発表。

米財務省が仮想通貨ウォレットに関する新たな規制案を正式に発表しました。この提案では取引所から個人ウォレットへ資産を送金するユーザーは、新たに定められるKYCに準拠する必要があります。

マネーロンダリング強化へ

悪意あるユーザーの匿名送金に対処するため、米財務省の金融犯罪捜査ネットワーク(FinCEN)は12月18日、仮想通貨(暗号資産)ウォレットに関する取り締まり強化を目的とした規制案を正式に発表しました。

対象となるのは金融機関を通さずP2Pでの送金・取引が可能だった自己ホスト型ウォレットで、制限をかけマネーロンダリング防止をより強化するものとなっています。このようなウォレット保有者は、ユーザーの携帯電話やコンピュータ上のソフトウェア(サムドライブ)を利用し、登録された仮想通貨取引所で管理されていませんでした。

新たに提案された規制では、銀行やGemini・Coinbaseなど人気のある仮想通貨取引プラットフォームなどマネーサービス企業に対し、取引先がホストされていない3,000ドル(約31万円)を超える引き出しについて、そのユーザーと送金先の自己ホスト型ウォレット保有者の身元を確認するよう求めています。

また1万ドル(約103万円)を超える仮想通貨取引に対しても、15日以内にFinCENへの報告が義務付けられることになります。

プライバシー侵害の声も

この動きにより仮想通貨取引所は従来の銀行システムに近づき、資産クラスとして参入を検討する機関投資家に大きな安心感を与える要素はあるものの、取引所の作業量を増やし、初期に掲げていた匿名性と自己主権という技術の約束を失うことになります。

この提案には15日間の間、利害関係者のパブリックコメントを求めており、ジョー・バイデン次期米大統領が就任する1月20日までに正式に決定されるかどうかは不明なものの、期間は非常に短いものとなっています。

しかしワシントンの仮想通貨推進派団体らによるロビィ活動がなければ、ユーザーが提案された新規制に遵守する期間や、要件をここまで緩和する時間もほとんどなかったとも言われています。

米財務省は仮想通貨取引における透明性を高め、抜け穴を防ぐことができるとしていますが、匿名性を守るために仮想通貨業界や推進派議員からは早速、反対の声が出てきています。

またマネーロンダリングを行う犯罪者は仮想通貨と法定通貨を交換する際、特定され逮捕に至ることから、新提案は米国の規制を遵守し、法執行に協力する取引プラットフォームとの相互作用をさらに阻害する可能性があるとの危惧も出てきており、今後の展開に注目が集まります。