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マスターカードのバンガCEOが明かす、仮想通貨リブラから脱退した理由とは?

FacebookによるLibra(リブラ)は引き続き注目を集めています。そんな中、マスターカードは昨年、リブラ協会を脱退していました。CEOを務めるAjay Banga(アジェイ・バンガ)氏はその理由について、リブラが当初発表していたビジネスモデルからずれてしまったこととコンプライアンスに関する重大な懸念のためだと説明しています。

リブラは好ましくない方法で利益を得る

バンガ氏はファイナンシャルタイムズのインタビューにてリブラのアイディア自体は気に入ったものの「会社はどうやって利益を得れるのか説明しておらず、パートナシップが大きな意味を持たないと感じている」と述べました。

バンガ氏によれば、プロジェクトの幹部も文書化で説明することに前向きではなかったため「お金を稼ぐ方法がわからない時は、自分にとって好ましくない方法で稼ぐことになる」との論を展開し、リブラの収益モデルの不透明さを指摘しています。

またリブラは当初、銀行口座を持たない人々に適した利他的なツールとなり金融包摂を謳っているにも関わらず、独自ウォレット「Calibra(カリブラ)」を使用することに対しても整合性がとれないと疑問の声を投げかけています。

フェイスブックと言えばユーザーの個人データ流出などで問題となりましたが、データ管理や各国の規制に対処するのかについても懸念が有り、脱退に至ったと説明しました。

失速するリブラ

仮想通貨リブラは2019年6月に初めて発表されて以来、メッセンジャーやWhatsAppなどのSNSとも統合され、最終的にサードパーティーのネットワークやeコマースへと拡大するだろうと見られていました。

プロジェクトはリブラ協会を設立し、マスターカード・Visa・PayPalなど多くの大手企業が加わったため、国境を越え使用できるブロックチェーンベースの通貨として大いに注目を集めていました。

しかし、ここで待ったをかけたのが米国の規制当局で、既存の金融システムに重大な懸念をもたらすとして対応を求め、ヨーロッパやシンガポールもそれに追随する形となりました。

次いでリブラ協会からはマスターカードだけでなくVisa・PayPal・Stripeなどが脱退を表明し、暗礁に乗り上げる事となりました。

やはり最大の問題は規制に関する不透明で、多くの企業が、リブラを他の金融機関と同じ方法で規制する事は難しいと考えています。また当局から監視の目を強められるのは決済企業にとって避けたいところでしょう。

とは言え、政府や銀行がブロックチェーンや仮想通貨を否定したわけではなく、リブラが中国のデジタル元に端を発し、各国の中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)作成を後押したことは間違いないでしょう。