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「ライトニングネットワークに格納されている900万ドル分のビットコインのハッキングが容易にできる可能性がある。」ヘブライ大学研究者が脆弱性を指摘。

普及が期待されるビットコイン(BTC)の少額決済を迅速とする技術「Lightning Network(ライトニング・ネットワーク)」ですが、エルサレムのヘブライ大学の研究者は脆弱性があるとして「ハッキングが容易になる。」と警鐘を鳴らしています。

Lightning Networkに脆弱性

仮想通貨ビットコイン(BTC)のブロックチェーンは1秒間に数件のトランザクションしかサポートしておらず、利用者が増加すると高額な手数料と送金時間の大幅な遅れをもたらしていました。

そこでビットコインのトランザクションの高速化と低い手数料での少額決済を可能にする技術「Lightning Network(ライトニング・ネットワーク)」が注目され、アクセスポイント数が2019年より33%増加するなど需要が高まっています。

しかしエルサレムのヘブライ大学の研究者ジョナ・ハリス氏とアビブ・ゾハル氏が発表した論文「Flood & Loot: A Systemic Attack on the Lightning Network」によると、現在ライトニングネットワークのペイメント・チャネルに格納されている約900万ドル(約9億6000万円)分のビットコインが容易にハッキングできる可能性があると指摘しています。

ペイメント・チャネルのネットワークはブロックチェーンの混雑の影響を受けやすく、攻撃を受けた場合、ユーザーが時間内に資金を引き出すことができない可能性があると脆弱性を説明しています。

そのためハッカーは一度に多くの資金の請求をブロックチェーン上に殺到させ、混雑を作ることで期限までに請求されなかった資金を盗むことができると主張しました。

約95%のノードが危険

この論文ではハッキングがいかに実現可能かを立証するためダミーのコインとテスト用ライトニング・ネットワークを使用したシミュレーションテストも行っています。その結果、一度に85のチャネルを攻撃することでハッキングの成功を保証するのに十分であるとしています。

また100チャネルをターゲットにした場合、ライトニング・ネットワークの安全な送金を可能にする技術「HTLCs(Hash Time-Locked Contracts)」を少なくとも7402台行うことができることが分かりました。

これによりハッカーの平均的なHTLCは約138ドル(約14763円)相当のビットコインを獲得することになり、1日あたり1,021,476ドル(約1.1億円)をハッキングできることを意味します。

この論文では既存のライトニングネットワーク・ノード約2,000個のうち、95%が脆弱性に晒されていると指摘しています。

また短期的にはこの欠点を修正できる100%の解決策もないとしたうえで、ライトニングプロトコルは複数の問題に対処するために急速に進化しており、最終的には脅威を排除できるだろうと楽観的な姿勢も示しています。