仮想通貨イーサリアム(ETH)の大型アップグレードETH2.0のパブリックテストネット「Medalla」が稼働しました。これを受け創設者のヴィタリック・ブテリン氏は「イーサリアムはサトシ・ビジョンを継続している」と主張しています。
ETH2.0テストネット稼働へ
イーサリアム(ETH)の開発チームは、ETH2.0のフェーズOである「Beacon Chain(ビーコンチェーン)のパブリックテストネット「Medalla」が、正式に稼働したことを報告しました。
これはETH2.0のメインネット立ち上げに向けた最終段階にあたりますが、エンドユーザー向けとなる最終マルチクライアントテストネットになります。
ノードクライアントは「Lighthouse・Prsym・Teku・Nimbus・Lodestro」の5つで、イーサリアム開発者Terence Tsao氏によれば、稼働前にすでに20,000以上のバリデータを達成したとのことで、順調さをアピールしています。
今回の発表はYoutubeで生配信されましたが、同じく開発者のBen Edgington氏によれば、Medallaが成功すれば2020年後半のメインネット稼働を視野に入れたドレスリハーサルとなると強調していました。
ETH2.0は遅延が続いており、年内の稼働が危ぶまれていました。
次はシャーディング導入が目標
ビーコンチェーンはETH 2.0ネットワークのバックボーンとして機能する新しいPoSブロックチェーンになりますが、次の段階としてシャードチェーンで構成されるシャーディングが導入される予定です。
成功すればスケーラビリティの改善という目標を達成することになります。最終段階ではDAppsやトランザクション処理の導入に向けてシステムを開放します。
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、数年前からスケーラビリティ問題の解決とPoSへの移行に向け構想していました。2014年当時、ブテリン氏は「ETH2.0はかなり不明瞭で、スケーラビリティとコンセンサスの問題を解決するか、死んでいくかのどちらかだ」と語っていました。
しかし今回のMedallaをのローンチした際、ユーザーからの「ETH2.0はビットコイン(BTC)を陳腐化させる可能性がある」と批判したユーザーに対し「イーサリアムはアンチ・サトシではなく、世界的な分散型決済エコシステムというサトシのビジョンを継続している」と自信をのぞかせています。
一方Medallaのバリデータ参加者は、開始時に推奨された参加者数は予想されていた80%のうち57%に留まっていました。