大手仮想通貨資産運用会社「Grayscale(グレースケール)」の創設者Barry Silbert(バリー・シルバート)氏によれば現在、中国に集中しているマイニング業者がカナダなどの北米へ活動の拠点を移す動きが見られているようです。
マイニングのメッカは北米に
中国と言えば仮想通貨マイニング業者が集中していることで知られています。しかし、中国政府とは常に複雑な関係となっており、以前は環境破壊を促進させるとして完全に禁止する方向性であることが示唆されていました。
2019年には習近平国家主席のブロックチェーン推進発言により、マイニング業が無事中国政府の廃業リストから除外されました。
これは世界最大のマイニング企業BitmainとCanaan Creativeの存在が大きく、10億ドル(約1,100億円)規模の両社からの税収を逃したくないためであるとも推測されています。
中国は世界全体のマイニングの3分の2を占めているとも言われており、関連機器への需要も増加してきています。
しかしGrayscale(グレースケール)の創設者Barry Silbert(バリー・シルバート)氏が多くの投資家に寄せたオンライン・プレゼンテーションでは、マイナーにとって中国がもはや望ましい地域ではないことを示唆しています。
「私が最近見たのは、この3~6ヶ月間で多くのマイニング活動が中国から米国・カナダへと移ろうという試みで、真の意味でのシフトです」
詳細は明かさず
シルバート氏はなぜマイニング業者が突然、中国から北米へ拠点を移そうとしているのか、理由については言及することはありませんでした。
しかしカナダや米国の一部地域では電気料金が大幅に安く、テキサス州などは再生可能エネルギーなどコストが非常に安いことで知られています。
また、今年に入り中国武漢で発生した新型コロナウィルスもマイニングに影響を与えていると考えられます。ハッシュレートのトップ3に入るBTC.topは、中国政府が感染拡大を防ぐため従業員の出勤を制限する措置を命じたため、工場が強制停止していることを明かしています。
その一方で、感染者は都市部が多くマイニング工場がある地方には影響はないとする見方もされており、実際にハッシュレートの低下などは起きていません。
いずれにせよ、中国から活動の拠点が移ることが本当であれば、政府の動向に影響されることはなくなり競争が激化することは間違いありません。今年は半減期も控えており、今後のマイニング市場の動向に注目が集まります。