暗号資産(仮想通貨)ユーチューバーEllioTrades氏と、法学部准教授であるEdmund Schuster氏が、現在流行中のNFT(ノンファンジブル・トークン)についてブロックチェーンの役割は必要か議論を交わしています。
NFTブロックチェーン不要論勃発
4月15~16日にかけ開催されたオンラインカンファレンス「BlockDown 2021」にて、仮想通貨ユーチューバーでSuperfarm NFTプロジェクトの共同制作者EllioTrades氏と、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの法学部准教授Edmund Schuster氏が参加し、NFTの価値について討論しました。
NFTはイーサリアム(ETH)などのブロックチェーン上で唯一無二の様々なデジタルコンテンツ作成でき、最近多くのアーティストやスポーツチームなどが参加し、脚光を浴びています。
コア機能としてブロックチェーンはデジタルコンテンツの希少性と真正性を証明することになりますが、一部の専門家からは「厳密には必要ない」との声があがっていました。
Schuster教授も懐疑派の立場を取っており、世界がNFTを必要とする技術的な理由はないと主張し、ブロックチェーン以外のデジタル・コレクティブル・ソリューションでも「まったく同じ」特性を実現できると主張しています。
「なぜその技術が必要なのかという明確な説明がない限り、私の考えでは、それはほとんど定義上の誇大広告です」と指摘しました。
一方ブロックチェーン必要派のTrades氏は、ブロックチェーン技術はデジタル資産の保護を確実にするために不可欠であると語り、ブロックチェーンで保護されていない場合、いつかは盗難にさらされることは時間が証明していると反論しました。
そのうえで情報を保護するには、保護を実施するための分散型ネットワークが必要であり、だからこそブロックチェーンは非常に重要であると応戦しています。
古いアイテムは価値を失う
Schuster教授はさらにゲームコレクターのエコシステムにおける信頼性の問題を指摘、ブロックチェーンを使用するだけではコレクターシステムは中央集中型のデータベースとあまり変わらないと述べています。
またブロックチェーンの要素は不必要な複雑さであり、ゲームクリエイターがより強力な特殊武器をゲーマーに発行すれば、古い武器が価値を失ってしまうと例をあげ、説明しています。
この指摘に対しTrades氏は、ブロックチェーン技術が提供する分散化の重要性を強調し、NFTや暗号全般における仮想財産は、ユーザーから没収されることはないと述べ、次のように付け加えました。
「この技術がトークンの所有者に生活の質を向上させるだけでなく、貸し借りやその他分散型金融に関連する複雑な活動を含む交流の自由度を高めてくれます」
NFT市場はまだ立ち上がったばかりであり、今後も様々な議論を経て発展していくことと予想されます。