大手仮想通貨取引所Binanace(バイナンス)のCEOであるCZ氏は、米大手決済サービス「PayPal(ペイパル)」が人気アダルトサイト「Pornhub」へのサービス提供を突如停止した報道を受け、仮想通貨決済の普及の新たなチャンスだとする旨の発言をしています。また中国のデジタル人民元の発行計画に対しても同様の考えを示しています。
PayPalのPornhubへの決済サービス停止は仮想通貨にとって追い風
11月14日、人気アダルトサイトであるPornhubは、米大手決済サービスのPaypalが、所属パフォーマーへの支払いを突如停止したことを明らかにしました。同サイトはこれまでパフォーマー約10万人への支払いをペイパルに依存していたため動揺が広がっています。
仮想通貨業界の間ではこれを決済普及へのチャンスだと捉える声も多く、Pornhub側が採用する動きを見せる可能性も高いと予想されています。
大手仮想通貨取引所バイナンスのCEOであるCZ氏もツイッター上で「仮想通貨の可能性は?」とビットコイン(BTC)や他の検閲不可能なアルトコインを成人向けコンテンツへの現実的な決済手段として後押しすることを示唆しています。
中国のデジタル人民元発行も好材料
CZ氏は今回のPornhubの支払いトラブルに加え、中国のブロックチェーン採用も仮想通貨を後押しすると考えています。
中国では仮想通貨の支持はしないものの、中央銀行である「中国人民銀行」がデジタル人民元を発行しようと計画しています。CZ氏はこのデジタル人民元はブロックチェーンプラットフォームで発行されると予測しており、ビットコインほど分散化はされないものの、世界で最も影響力のある通貨の1つになるだろうと述べています。
登壇したシンガポールで開催された「BlockShow Asia2019」内でも次の様に述べています。
「中国政府は人民元の影響力を世界に広げようとしており、米ドルとの競合を望んでいます。しかし、実現するにはデジタル人民元をもっと自由にするべく後押しする必要があります」
このようにCZ氏は、仮想通貨普及の新たなチャンスが徐々に広がっていると考えているようです。
しかし、Pornhubのパフォーマーの中には今回の仮想通貨による支払いの提案を受け「何なのか分からない。銀行振込で十分」と発言しているものもおり、まだまだハードルが高いことも浮き彫りとなっています。