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たった2秒で残りの300万BTCを採掘してしまう?量子コンピューターの脅威について懸念の声

今年10月、グーグルが開発した量子チップ「Sycamore(シカモア)」を用いた「量子超越性」の実証実験により、約1万年かかる計算がわずか3分20秒で完了したとする論文が科学誌ネイチャーで報告されました。この結果を受け、いまだ発行されていない残り約300万BTCがわずか2秒で採掘されると仮説を立て警鐘を鳴らすジャーナリストもいます。

量子コンピューターの脅威、残り300万BTCが2秒でマイニング完了?

今年8月にはビットコイン(BTC)マイニングされた枚数が1785万枚に到達しました。これは総発行枚数2100万枚のうちの85%に該当し、残りの300万BTCは2140年までにマイニングが終わる予定となっています。

ここで脅威となるのがグーグルの量子コンピューターです。10月には科学誌ネイチャーに自社開発した54量子ビットのプロセッサ「Sycamore(シカモア)」を使った「量子超越性」の実証テストを行った結果が論文として掲載されました。

論文の中では、シカモア搭載の量子コンピューターによって、約1万年かかる計算をたった3分20秒で終了する事に成功したと報告しています。この論文により、仮想通貨やブロックチェーンを支えている「暗号化」を簡単に解読できる可能性があるとして業界には激震が走りました。

いまだ実用性にはほど遠くセキュリティに危険を及ぼすものではないとの意見も挙がっていますが、仮想通貨専門のジャーナリストFrancisco Memoria氏はグーグルが行ったベンチマークパフォーマンスに基づいた計算を行った結果、量子コンピューターが未採掘の300万BTCを2秒未満で終わらしてしまうとの仮説を発表しています。

量子耐性の標準化が必須に

Memoria氏の仮説はすでに削除されていますが、その計算にはいくつかの間違いも指摘されています。

例えば、Memoria氏は1BTCが10分毎に生成されると主張していますが、実際には12.5BTCとなっています。これだけでも今回の仮説は崩れますが、2016ブロックに1回行われる難易度調整も含まれていません。量子コンピューターがもし2016ブロックを全てマイニングできたとしても難易度調整を行えば危機は避けることができます。

とは言え、Memoria氏の指摘もあながち外れているわけではありません。このまま何も対応しなければ量子コンピューターに匹敵する難易度設定が可能なマイニングマシンのみが残りの300BTCを採掘できることとなり、競争が激化する可能性もあります。

また、暗号を解読できるとするセキュリティ面の危惧も当面は「万能量子コンピューター」のみとされ直近の危険性は低いと見られていますが、今では仮想通貨だけでなく「金融・機密通信」などあらゆるものが暗号技術に頼っています。今後、グローバルな量子耐性化の標準装備は必須となっていくことが予想されます。