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サウジアラビア通貨庁SAMAがブロックチェーンで地元銀行への送金に成功。石油産業に次いでリードなるか?

サウジアラビアの中央銀行に位置するサウジアラビア通貨庁(SAMA)が、ブロックチェーン技術を使用して現地銀行への送金を行ったことを明らかにしました。ブロックチェーン採用が進む中東でも、サウジアラビアが石油産業に加えてリードすることが期待されています。

SAMAがブロックチェーン活用

6月8日、サウジアラビア通貨庁(SAMA)は現地銀行への送金にブロックチェーン技術を使用したことをツイッター上で発表しました。この取り組みは先週発表した「流動性の一部を銀行に注入し、銀行の信用枠の提供」において、引き続き役割を果たす能力を高めることを目的としています。

その活動の一環としてSAMAは、新興技術の探索・実験を継続的に行うとともに、これら技術が金融セクターに与える影響を評価し、世界の中央銀行の動向をリードしていくとしています。

またSAMAの新興技術の実験には資本市場局と協力し、イニシアチブやサンドボックスの導入およびデジタルバンキングサービスや決済の充実なども含まれています。

なおブロックチェーンを使用しての具体的な送金額は明らかにはしてませんが、先週の発表の際、総額で133億ドル(約1兆4300億円)を銀行へ流入すると発表しており、そのうちの一部と推測されています。

中東でも主要国となるか?

サウジアラビアを含む中東と言えばこれまで石油生産国として知られています。しかし2020年3月にはロシアとの石油減産を巡る対立から原油価格は歴史的な暴落を果たしました。

また新型コロナウイルスの感染拡大により需要はさらに落ち込み、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成されたOPECプラスが、価格回復に取り組むべく緩和に向けて乗り出す事態となっています。

世界四大監査法人の1つKMPGの4月のレポートによれば、サウジアラビア政府はこの危機的状況を打開し経済を刺激するべく、金融セクターのための緩和策を練っていたと報告しています。

2019年にもSAMAはアラブ首長国連邦(UAE)にある銀行へブロックチェーンでの送金実験を行っており、景気回復の刺激策の一環としてのブロックチェーン採用にさらに乗り出す可能性があります。

ブロックチェーンを導入しての銀行への信用枠の提供は中東では初の事例で、画期的な瞬間ともいえます。このままサウジアラビア内での採用が拡大すれば、中東内で石油だけでなくブロックチェーン技術の分野においてもリーダー的存在になるかもしれません。

また各国でも中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)への取り組みが進んでおり、SAMAも今後、開発に着手する可能性は非常に高いといえるでしょう。