SEC(米国証券取引委員会)とブロックチェーン企業LBRYの未登録証券販売を巡る訴訟が、暗号資産(仮想通貨)業界の未来を脅かす可能性があるとアナリストのMati Greenspan(マティ・グリーンスパン)氏が警鐘を鳴らしています。
LBRYの裁判はBTC・ETHにも悪影響を
Quantum Economicsの創設者兼CEOでeToroアナリストのMati Greenspan(マティ・グリーンスパン)氏はニュースレターの中で、SEC(米国証券取引委員会)と分散型コンテンツ共有・公開プロトコルで、ブロックチェーンベースのYouTubeとも称されるLBRYの裁判の行方を危惧しています。
SECは3月29日、LBRYが2016年から数百万ドルの未登録証券をトークンを通じて販売していたと告発、LBRY側も異議を唱え、裁判にて徹底抗戦の姿勢を示していました。
グリーンスパン氏によれば、裁判所がLBRYに不利な判決を下せば文字通り、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を含むすべての仮想通貨の将来を殺す恐れがあると述べています。
LBRYが発行するトークンLBRY Credits(LBC)は、マイニング可能でICOを実施しておらず、支払い手段または参加や貢献のインセンティブとして使用されていますが、SECはHoweyテストをあまりにもリベラルに解釈しているとグリーンスパン氏は主張しています。
ステーブルコインしか残らない未来も
このように用途が多面的でプログラム可能な貨幣の典型であるLBRY Creditsが、従来の投資手段と区別がつかないと述べ、70年以上前に作られたHoweyテストを武器に証券であるとの前例を作られることはあってはならないと述べています。
またLBRYが裁判で負けた場合、ステーブルコインだけが規制を免れることができると警告しています。
「ここで否定的な判決が出れば、彼ら(SEC)は仮想通貨を利用したあらゆるプロジェクトを簡単に潰すことができる。DeFi・NFT・スマートコントラクトそして恐らくステーブルコインを除くあらゆるものが危険に晒される可能性があります」
一方でグリーンスパン氏は、SECはWeb 3.0・価値のインターネットなどの革命を止めることはできず米国が取り残されるだけで、訴訟の結果に関わらずLBRYは前進するだろうと楽観的な姿勢を示しています。
革新的な企業は米国のユーザーを受け入れないよう特別な配慮をすれば、自由に繁栄することができると主張、最後には次のような皮肉をのぞかせました。
「近い将来、米国市民がインターネットの大部分にアクセスするには中国のように仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用しなければならなくなるかもしれません。いや、すでにそうなっているのかもしれませんね」