ドバイに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)投資ファンドのFD7 Venturesが、7億5000万ドル(約795億円)のビットコイン(BTC)を売却し、カルダノ(ADA)とポルカドット(DOT)の保有量を増やす方針であることが明らかになりました。
有望なアルトコインへ分散
暗号資産投資ファンドFD7 VenturesはPrakash ChandとQ Dhallaが率いる企業で、主にドバイやトロントで事業を展開し、富裕層投資家の資産10億ドル(約1065億円)を預かっています。
そのFD7 Venturesは現在保有しているビットコインのうち、7億5000万ドル相当を今後30日間のスパンで売却し、ADAとDOTを購入していくことを発表しました。
同社によれば、今回の方針は暗号資産のポジションを強固なものにすると同時に、市場でのポートフォリオの多様化を目指す顧客のニーズに応えることが目的だとしています。
ADAとDOTはいずれも急成長を遂げ、DeFiなどエコシステムの拡大が期待されており、時価総額も合わせて約650億ドル(約7兆円)にも及んでいます。なおFD7 Venturesは10億ドルのビットコインを保有しており、今回で75%分を売却することになります。
BTCは役に立たず、時代はWeb3.0へ
FD7 VenturesのマネージングディレクターであるPrakash Chand氏によれば「この分野が成長しても、保管リスクが残り信頼性の高い投資手段を吟味する必要がある」と述べ、経験豊富な投資家がこの分野に参入するためのリスクのない信頼できるパスを提供することが使命だと強調しています。
またビットコインが最初に市場に出たという事実、価値の保存手段としての意味を与えたという事実を除けば、実際にはかなり役に立たないものだと指摘しました。
一方でADA・DOT・イーサリアム(ETH)などのプロジェクトは、新しいインターネットやWeb3.0の基礎となるものだと購入理由を明らかにしています。
ADAプロジェクトはあらゆる業種へのブロックチェーンソリューション実装に向け取り組んでおり、DOTは相互運用性・拡張性・フォークレスなWeb3プロジェクトのエコシステムを構築し、完全に分散化されたユーザー主導のプラットフォーム構築を目指しています。
Chand氏は「今後数年のうちにETH・ADA・DOTがビットコインよりも価値の高いものになることに賭けても構わない」と自信をのぞかせています。
なおFD7 VenturesはすでにビットコインをADA・DOTへ交換するプロセスをスタートさせており、3月中旬から下旬までに完了予定となっています。